グループホームでは、複数のスタッフがそれぞれの役割をこなしながら、入居者さんの生活をサポートしています。ここでは、スタッフの種類と業務内容、グループホームで働くメリットとデメリットをまとめました。
施設の管理者です。経営や運営の管理業務全般を行います。グループホームでは、ユニットごとに常勤の管理者が必要です。
管理者には2つの要件があります。一つ目は「特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで認知高齢者介護に3年以上従事した経験があること」、二つ目は「厚生労働省が定める管理者研修を修了していること」です。
管理者は、介護職員などのスタッフとして勤務経験を積んでから、キャリアアップして就くのが一般的。管理業務に支障がなければ他の職種との兼任が可能です。実務上では、次で紹介する「サービス管理責任者」と兼務しているケースも多く見られます。
グループホームで提供するサービス全般に関する総責任者がサービス管理責任者です。省略して「サビ管」と言われることもあります。管理者との違いが分かりにくいかもしれません。管理者が施設全体の責任者であるのに対して、サビ管は利用者へのサービスに関する責任者と理解すれば分かりやすいでしょう。
他の事業所での役職や同一事業所の他職務との兼務が可能です。また、非常勤の人でもサビ管になれます。グループホーム内に最低1人の配置が必要です。
計画作成担当者は、施設利用者のケアプランを作成する職員のことです。作成したケアプランについて、家族に説明を行い、スタッフとプランの共有をします。利用者とスタッフの橋渡しをする役目です。
ケアプランを作成した後は、計画がきちんと実行されているかの確認や、ケアプランの調整を随時実施。ケアの状況を確認するために、現場業務にも入る機会も多くあります。
計画作成担当者は、認知症介護実践者研修を修了していなければいけません。グループホーム1ユニットごとに最低1名の計画作成担当者の配置義務があります。計画作成担当者のうち1名は、ケアマネージャーの資格が必要です。
世話人は、計画作成担当者が作成した計画に基づき、入居者の食事の準備や掃除、服薬や金銭の管理、コミュニケーションなど、身の回りのお世話をします。家事支援、日常生活の相談がメイン業務です。
グループホームの入居者は、自分でできることが多い一方、人によってできる範囲は異なります。計画に沿った支援を提供しなければいけません。
計画に基づいて、入居者の入浴介助、排泄介助など身体介護を行うのが生活支援員です。世話人との違いは、入居者の身体に直接触れるかどうか。生活支援員は、入居者の身体を直接介護する仕事です。実務上は、世話人と生活支援人の役割が混在していることもあります。
世話人と同様に、入居者が自分でできることまで手を出してはいけません。計画通りの支援を行います。
生活支援員や世話人の総称。利用者に対して必要なケアや生活支援を行う職員のことです。一般的に、求人などでは介護職員と表記されます。
夜間の業務を担当する介護職員。業務内容は、世話人・生活支援員と同じです。具体的には、「食事準備」「服薬管理」「相談支援」「着替えやトイレ介助」「見回り」「髭剃りなど起床時の業務」「日誌の入力」「引継ぎ」など。夜間支援員も計画に基づく介護を提供します。
時間帯は施設によって異なりますが、22時から8時までの勤務としている事業所が多く、ひとつの目安です。
グループホームではスタッフの人員配置の最低基準が設けられています。介護職員は、利用者3人に対して1人以上、介護職員のうち1人は常勤でなければいけません。また、夜間・深夜も常勤者が1人以上必要です。
計画作成担当者は、ユニットごとに1人以上、さらに1人以上はケアマネージャーの有資格者を配置しなければいけません。
ユニットごとに常勤の管理者の配置も必要です。管理者には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などでの3年以上の実務経験と厚生労働省が定める管理者研修の修了という要件があります。
サビ管もグループホーム内に最低1人の配置が必要。他施設との兼務や非常勤でもかまいません。
勤務時間は施設によってことなるものの、早出・日勤・遅出・夜勤の4シフトで構成されるのが一般的にはです。
実際の勤務をイメージするために、時間帯の例を見てみましょう。
早出は、起床、起床後の身支度、朝食準備から業務がスタートします。遅出は、就寝準備までを行って業務終了というイメージです。
夜勤は利用者が就寝した後の巡回や排泄介助を中心に、夕食から朝食後までを担当。夜勤専従として夜勤のみ勤務するパターンもあります。
グループホームで働くメリットは、入居者との信頼関係を構築しやすく、入居者に寄り添った介護を提供できる点にあります。一般的な施設より少人数で地域社会の中で生活するという特徴があるため、家庭的で温かい関係を構築しやすいのが魅力です。
グループホーム入居者は認知症の方が中心。基本的には自立した生活を送れる方が多く、自分でできることは自分でするため、生活のサポートがメイン業務です。身体介護の割合は高くありません。体力的な負担が少ない点もメリットと言えます。
また、グループホームでは無資格・未経験でも働くことが可能。未経験から認知症ケアを学べて、専門的な知識が身につきます。
入居者の中には、怒鳴ったり徘徊したりする人もいます。認知症への理解度が低いと、精神的に負担を感じるかもしれません。入居者とのトラブルになってしまい、仕事への自信をなくしてしまうリスクがあります。
また、夜勤を一人で担当する施設も少なくありません。入居者の状態によっては夜勤担当者に負担がかかってしまうこともあります。
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