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グループホーム経営における自力申請

グループホームの開設は自力で行うことも可能です。しかし、複雑な申請をクリアしなければいけないなど、ハードルは高いと言えるでしょう。ここではグループホームの経営に関する自力申請のリスクや注意点についてまとめました。

グループホーム開設を自分で行なう場合のリスク

施設設置の場所や建物に関する虚偽・基準の未達

グループホーム開設には、施設設置の場所や建物に関する基準が定められています。これらの基準を満たしていないのに、基準をクリアした数字で申請してしまうと、間違いに気づかれないまま手続きが進み、そのまま一度は開業できてしまう可能性があります。開設後に基準を満たしていなかったことが発覚、「指定取り消し」となってしまうのがこのケースの怖いところ。

開業後に取り消しになってしまうと、当然、事業継続はできません。初期費用の回収ができないなど、大きなリスクです。

「虚偽申告なんてしない」と思う人が多いでしょう。しかし、意図的な虚偽報告ではなく、知識が不足していたり、単純なミスをしていたりで、意図せず虚偽申請になってしまう可能性をはらんでいるのが、自力申請のリスクです。自分で開設する際は、制度とルールを十分理解して、正確な手続きが必要です。

有資格者・業界経験者の不足

グループホームの運営にあたっては、有資格者の人数が決まっていることもあります。たとえば、管理者は一定の実務経験や研修修了要件のクリアが必要です。計画作成担当者も、最低一人は、ケアマネージャーの有資格者でなければいけません。

自力で採用活動を行う場合、介護職への理解が浅いと、スタッフへ訴求すべきポイントがズレてしまうこともあり、なかなか有資格者が集まらないこともあります。また、申請時点では集まっていても、理解の乏しい経営者に不信感を持ち開業前に辞めてしまうことも。たとえ申請が通っても、有資格者がいなくなれば開設できません。

また、立ち上げにあたって業界経験者を頼りすぎるのも失敗の元です。介護業界の経験者であっても事業立ち上げの経験がなければ、初期運営が上手く回らない場合があります。全てを経験者に頼ろうとせず、事業主がきちんと理解して、リードしていかなければいけません。

開業支援業者とのトラブル

自力のみではなく、手続きの一部で専門家の力を借りることもあるでしょう。たとえば、「申請時に行政書士に依頼する」「運営をコンサルタントに相談する」などです。こうした開業支援業者を利用する場合に、業者とのトラブルが起こるリスクもあります。

もちろん、業者の知識不足やサポート力の不足などが原因のこともありますが、大きな原因のひとつは、依頼した事業主本人の知識や意識の低さです。業者に依頼してすべてが完結するわけではないので、安易な考えで開業に臨むと支援業者とさえトラブルを抱えることになるでしょう。部分的なサポートで基本的には自力で開業したいと考えるなら尚更、主体的に行動し、学ぶ姿勢が大切です。

グループホーム開設の申請を自分で行なう場合の失敗例

グループホームの基準に適合しない建築

グループホームの建築は、建築基準法や都市計画法、消防法に適合する必要があります。グループホームとしての設備基準を満たせない施設では、開業できません。

建築士や設計事務所がグループホームの建設について専門知識があることは稀です。エリアによっては、総量規制の対象になっていてその地域では新しく開業できないというケースもあります。建築士はそういった情報を知らない可能性が高く、依頼されたまま設計・建築するでしょう。

失敗しないためのポイント

建物ができた後で開業できなくなるリスクを抱えないために、事業者側が主体的に必要なことをまずはしっかり調査。その上で、スケジュールや建築基準法上の事業類型などの情報を伝え、適した設計にしてもらわなければいけません。

丸投げしようとしたら手続きが進まない

グループホームに関連する制度や法律を勉強しようとせず、行政書士などに丸投げしようとする事業者も中にはいます。申請に必要な書類は20~30枚と膨大です。これらの書類を2~6ヶ月かけて作成していきます。当然、事業者が動く場面も多々あるでしょう。業者に丸投げしてしまうと、書類作成が滞り、最終的には業者から依頼を断られてしまうかもしれません。

このような業者丸投げで事業を理解していない事業者を出さないために、自治体によっては、行政書士による完全代行が禁止されていることもあります。

失敗しないためのポイント

手続きは、事業者と支援業者が協力して臨まなければいけません。事前にグループホームの開設・運営に必要な法律は把握しておきましょう。分からないことは支援業者に聞き、積極的に勉強する姿勢が必要です。

担当官との折り合いがつかない

グループホームの開業ができないケースのひとつに、「担当官が申請を認めてくれない」「担当官が威圧してくる」など、自治体の担当官との折り合いがつかないケースがあります。

原因のひとつに、不勉強な人だと思われた可能性があります。あまりに制度への理解が低いと、そのまま開業しても、トラブルにつながるかもしれません。基準違反や不正請求などの懸念もあります。承認後に取り消しという事態になれば、承認した役所の責任問題にもなるでしょう。このようなリスクを避けるために、不勉強な人が申請を諦めるよう、担当官が威圧的な対応をすることがあります。

また、基準はクリアしている場合でも、担当官独自の基準で申請を認めないというケースもあります。たとえば、サービス管理責任者は、グループホームと就労継続支援A型・B型との兼務が可能ですが、兼務では実際の運営に支障が出ると考える担当官が受理してくれないといったケースです。この場合、具体的な事例を提示して、担当官を説得する必要があります。

失敗しないためのポイント

担当官による阻止を招かないためには、基本的なルールを勉強し、各自治体の指定の手引書には必ず目を通しましょう。

そして、担当官へは真摯な対応を心掛け、不快に感じるような態度を取らないよう気を付けてください。交渉が決裂しないようにすることが大切です。