フランチャイズに失敗してしまう理由の一つに、オーナーの知識不足があります。未経験でも始められるのがフランチャイズのメリットですが、少しでも成功確率を上げるためには、商材や業界そのものへの理解が必要になるのです。
ここではどのような知識が無いと失敗しやすくなってしまうのか、その具体的事例やフランチャイズ本部のサポート体制の重要性について解説。失敗を避けるためにオーナーがどういう行動すべきかについてまとめました。
一般的に、フランチャイズで事業をするにあたって何らかの資格試験に合格することが条件といったことはありません。唯一、必要なのはFC本部とのオーナー面談。それだけに、開業したはいいものの、自分の知識や経験不足により立ち行かなくなるというケースも少なくありません。
提供する商品やサービスは本部が考え抜いたものを利用しますが、その商材への理解や業界そのものへの造詣の深さも問われることになります。未経験で参入する場合にはできるだけ本部のサポートや協力体制が手厚いところを選ぶと安心でしょう。
成功する人は最初は知識がなくとも、本部からのサポートやアドバイスを素直に受け入れ、経験を積むことで売上を伸ばしていきます。学ぶ姿勢がないオーナーやアドバイスを素直に実行できないオーナーは業績を好転させるのは難しいでしょう。
フランチャイズにおいて、オーナーの知識や能力不足を補うことができるのは本部のサポート体制です。少なくても商品・サービスに関する知識は、研修や教育体制がしっかりしていれば学ぶことはできます。
それに加えてオーナー側の学ぶ姿勢も非常に重要。本部側で教育や研修を用意しても全く聞き入れずに、自分勝手に進めてしまっては意味がありません。忘れてはいけないのは、フランチャイズとは加盟店と本部が連携して初めて成り立つということ。
さらにオーナーとしての心構えとして大事なのは、受け身になり過ぎないことです。教えられたものだけをただ覚えるのではなく、常に問題意識を持って取り組み、わからないことは積極的に問い合わせて聞き出すことも必要。 本部側としても、加盟店が利益をより多く出してくれた方が儲かる仕組みのため、課題を解決するための質問や相談はむしろ歓迎されているのです。
問題発見能力は自分で問題を見つけ出す力です。問題解決力と異なるのは、トラブルが発生している状態か、発生していない状態かにわけられます。問題発見能力を持っている人は、表面上見えないところまで見据えて問題を見つけられるのです。
たとえば、毎月ノルマを達成していたとします。しかしもっと効率的な方法があるかもしれません。製品は順調に売れていたとします。ただ、もっと質を高められる部分があるかもしれません。その問題を見つけられる能力が問題発見能力です。
順調に業務が動き、製品やサービスも売れている状態なら満足し「完璧だ」と安心してもしかたありません。ただし、問題が隠れていた場合大きなトラブルになりがちです。問題が表面に出たときには手遅れという状況もあります。問題発見能力はフランチャイズオーナーにとって必須の能力といえるでしょう。
仮説は断片的な情報や経験に基づいて作った仮の答えです。仮説を構築できる力が、仮説構築能力といえます。仮説構築能力があると、仮説を立ててなにを優先すればいいか見えてきますし、精度の高まりも期待できます。
新商品を作るとしても闇雲に「どんな商品を求めているのか」と聞いても時間はかかるばかりです。まず仮説を立ててから情報収集をしたほうが求める内容を集めやすくなり効率的になります。
仮説が外れることも珍しくないですがムダばかりではないです。想定した結果が出なければ「なぜ出なかった」か前に進むための材料を得られます。その流れの中で新しい発想が生まれる可能性もあるのです。仮説構築能力は、幅広い情報をインプットし、情報を組み合わせて初期仮説を立てて検証し、必要なら修正を繰り返すことで磨かれます。
事前準備力とは段取り力のことです。段取りは物事を進めるための順序や手順、準備、心構えまで含まれます。事前準備力があればどんな物事でも効率よく進ませられるのです。事前準備力があれば物事を効率よく進ませられるために、精度や達成感を高められます。
事前準備能力を高めるには、5つのポイントを押さえることが肝心です。「仕事の目標や目的の明確化」「仕事に対する優先順位の決定」「仕事手順の具体的なイメージ」「時間ごとに区切ったToDoリスト」「トラブルの想定」などを踏まえ、落ち着いて準備します。
「メモ」も重要です。メモを取ればミスも減りますし、考えを整理する助けになります。ただ、優先順位を決定しても仕事をしていると、先にやるべきことがなにか迷うケースもあります。その場合は簡単なことから片付けると少なくとも前に進みます。
プロモーションとはマーケティングの一部分であり、製品やサービスの認知度を高める行為のことです。テレビコマーシャルやチラシやネット広告もすべてプロモーションです。
マーケティングに似ていますが異なります。プロモーションはあくまで製品やサービスを広めるだけです。マーケティングは製品の決定や価格や流通の決定まで含みます。他にもターゲットや参入市場や分野、売るという行為すべて当てはまるのです。
プロモーションは多くのメリットがあります。一番は商品やサービスを知ってもらえることで、広がれば「利用してみよう」という新規顧客が得られます。プロモーション能力が高い人はバランス感覚にも優れているのがポイントです。新規顧客ばかりになり、常連さんが離れるケースがあります。ブームが過ぎて新規顧客が入らなくなり、常連が離れたままだと死活問題になるのです。
コントロール能力は自分で自分をコントロールするセルフコントロール力のことです。「時間の管理」「感情の管理」「モチベーションの管理」「体調の管理」ができる能力を指します。
時間の管理ができる方は、準備する力もコミットメント力も優秀です。1日の流れも把握し、優先順位と目的達成のための準備も怠りません。感情のコントロールも重要です。感情的になるとトラブル、ミスが増えます。感情のコントロールができれば、冷静に落ち着いて本質を捉えて対処できるのです。
コントロール能力があれば、モチベーションの維持もできます。壁にぶつかっても考えて乗り越えられるためモチベーションの維持ができるのです。また、体調の管理能力も必須でしょう。調子が悪ければモチベーションや効率すべてが低下します。
フランチャイズでも経営全般の知識を持つことは必須です。本部はサポートしてくれても、経営全般をカバーできるわけではありません。お金や時間の管理も日露です。すべてにおいてルーズなら信頼関係が生まれません。
目的や目標を持つことも重要です。指針がないと経営の方向性が決まりません。事業経営に関わる法律の理解も必要です。労働法制度や保険に関することを知らないと雇用トラブル、契約トラブルに発展するため注意しましょう。
フランチャイズをする場合、個人事業主でも法人でも税金のことは無視できません。所得税や住民税、健康保険料や年金まで、雇用されているわけでないため、確定申告も必要です。個人事業税や、1,000万円以上の課税売上高なら消費税まで求められます。そのためには税金の知識も正確に把握しなければなりません。いい加減にしていると追徴課税などのペナルティもあるため注意が必要です。
※Google検索「グループホーム フランチャイズ」の検索上位12社の内、公式サイトにFC展開拠点数を掲載している障がいのある方向けグループホームのフランチャイズ本部を調査。その数が多い上位3社を選定しました(2022年6月9日調査時点)。