このページでは、障がい者グループホームにおけるレクリエーションの目的や、レクリエーションの内容を考える際のポイントなどについてまとめています。障がい者グループホームのレクリエーションをプランニングする参考にしてみてください。
障がい者グループホームにおけるレクリエーションは、単に入居者同士で遊んだり余暇時間を飽きずに過ごしたりといった遊戯目的だけでなく、障がい者の運動機能の維持向上のサポートを目指すなど福祉サポートとしての性質ももっています。
そこで、まずは改めて障がい者グループホームにおけるレクリエーションの目的や価値、意義について考えておきましょう。
障がい者と一口に言っても、その性質やハンディキャップの内容や程度は様々であり、それぞれに応じて運動内容を考えたり、機能訓練のカリキュラムを構築したりすることが必要となります。しかし、ただ機械的に繰り返す作業や運動は障がい者にとって負担になったり精神的な不満を増大させたりする恐れもあります。
レクリエーションの中に日常生活動作を盛り込むことで、楽しみながら体を使って運動機能を維持・向上させるといった目的を追求可能です。
レクリエーションの内容として、入居者や支援スタッフが互いにコミュニケーションを通して楽しめるものを考えられれば、入居者にとっても素直に楽しい時間として過ごせることが大切です。
日々の彩りとしてレクリエーションの時間の楽しみを確保することで、障がい者グループホームに入居している人のQOLの向上を目指していくことができます。
体を使って遊んだり取り組んだりできるレクリエーションであれば、楽しみながら自然と体を動かして身体機能の維持や向上に役立てられます。
また、障がい者の状態や性質に応じてレクリエーションのプランを調整することで、身体機能や運動能力の現状に合わせてサポート体制を考えていけることもポイントです。
定期的に体を動かす習慣を身につけることで、普段の生活にもメリハリが生まれるかも知れません。
レクリエーションの一環として何かを考えたり想像したりと、頭を使って楽しめる内容を用意できれば、脳機能の維持や認知能力の活性化につなげていける可能性も広がります。
また、レクリエーションであれば押しつけの学習になって一方的に入居者へ学ばせるという関係でなく、支援者と障がい者が互いに対話しながら学んだり勉強したりしやすくなることもメリットです。
レクリエーションの幅はアイデア次第で多種多様に広がるため、1つの遊び方を繰り返して飽きてしまうといったリスクを回避できることも見逃せません。加えて、レクリエーションの種類によって入居者ごとの好みや特性を改めて理解し、より人間関係を強化していけるといったチャンスにもなり得るでしょう。
レクリエーションを通して支援者と障がい者が一緒に時間を共有することは、コミュニケーションの強化や充実、対話の促進につながることも重要です。
また、普段は思い通りに気持ちや思いを伝えにくい人であっても、レクリエーションの内容を通して自分の想いをアピールできるかも知れません。
ここでは障がい者グループホームにおけるレクリエーションとして、一般的に考えられる内容をサンプル例として紹介します。
これらの内容をそのまま取り入れるだけでなく、これらを土台として新しいレクリエーションを考えることもできるため、まずは基本的な内容を把握しておきましょう。
音楽や手拍子に合わせてボールを運んだり、複数人のグループに分かれてボールをタイミング良く次の人へ渡したりと、ボールを使ったレクリエーションは取り入れやすく応用範囲も広いレクの1つです。またボールの色や形、サイズを変更したり、柔らかさや素材を変えたりすることで楽しみの幅を広げられます。
ボールの代わりにお手玉やクッションを使うといった工夫も考えられ、色々とグループホームの独自性や入居者に合わせた調整を検討しやすいことも魅力です。
その他、ボールを手で持つのでなくタオルを使って間接的に触ったり、ボールでなく不安定な風船を使って風が吹く中で遊んだりと、ゲーム性を広げて屋内だけでなく屋外でも楽しめるような機会を作れる可能性もあります。
ボールを渡し合うのでなく、的に向かって投げてポイントを競うといったことも人気のレクリエーションです。的との距離を工夫したりボールの種類を変更したり、はたまた的に応じてポイントを設定して景品を用意するといったアイデアも色々と考えられます。
柔らかいボールを使えば入居者によって投げられたボールが人に当たってもケガをするリスクを軽減できるため、安全性に配慮しやすいことも重要です。
チーム戦としてグループを作って的当て大会を行い、コミュニケーションや協力し合うことの魅力を体感してもらえます。
また、ボールを的にして別のボールを投げて、カーリングやゲートボール、ビリヤードのような楽しみ方を考えることもできます。扇風機やエアコンを使って風の流れを調節し、環境による難易度調整を遊ぶといったアイデアも有効です。
紙コップを積み上げてピラミッドを作るといった単純なレクリエーションですが、意外と人気のあるレクの1つです。ハサミを使ったり液体を使ったりする必要がなく、高さを出すためには集中力や指先の運動能力が重要になるなど、身体機能の維持向上を目指せるトレーニングとしても活用できます。
また、紙コップに文字を書いたり色を塗り分けたりすることで、立体的なお絵かきのようにアート性のあるレクリエーションとして考えることも可能です。
テーブルの上に小さな駄菓子などを広げて、それらを紙皿や紙コップ、うちわなどですくってカゴに入れるといった「お菓子すくい」も人気です。また、ヒモの先にテープを付けて釣りのように楽しむこともできます。
獲得したお菓子はそのまま商品として食べて楽しむこともでき、楽しみながら達成感を得られるといった効果も得られます。
固定されたテーブルを利用したり、お菓子をすくう作業は片手だけで行わなければならないとルールを決めたりすることで、下半身や片腕が不自由な人でも同じ条件で参加しやすい工夫ができる点もメリットです。
障がい者グループホームにおけるレクリエーションは運動機能や認知機能のサポートとして役立つだけでなく、障がい者であっても楽しみながら暮らせるという事実を改めて実感してもらう上で重要です。またアイデア次第で色々な工夫を考えられる点も見逃せません。
一方、レクリエーションを続けていくとマンネリ化したりアイデアが途切れてしまったりすることもあります。そのような時、フランチャイズであれば本部からプロの考えたレクリエーションの方法を共有してもらうこともできるでしょう。
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